ホーム > 読みもの

ローソク足チャート プロの読み筋

WEB読みもの第9弾
2020年12月29日 前編公開
2021年01月15日 後編公開
 
チャートを分析して「将来を当てよう」という発想にはムリがあります。将来を当てることが可能ならば、「売り」「買い」という真逆の価値観で価格が決まるマーケットは、そもそも成立しません。
 
売買に参加して価格形成に一役買っている者が価格の将来を当てるという発想そのものを否定するのが、「相場技術論」の出発点となる大切な考え方です。
 

──── 目次とリンク ────

【前編 日足(ローソク)の組み合わせは再現性に乏しい!?

  1. 予想は当たらない
  2. チャートを使う真の目的
  3. 日足(ひあし)

【後編】 月足(ローソク)だから見えてくる大局とトレンド

  1. 月足(つきあし)
  2. まとめ
  3. 底型・天井型111例
 

1.予想は当たらない

◆テクニカル分析の三原則

チャートとは、過去の値動きを視覚的に表したものです。価格という数値を図に置き換えるのですから、チャートを見るときには個人的な「感覚」が強く影響します。
したがって、漠然と見るだけでは、「上がってほしい」「もう少し下げてほしい」といった希望的観測に支配されやすいのです。
 
「テクニカル分析の三原則」をもとに、主としてトレンドに注目することが大切なのです。
 
テクニカル分析の三原則
  • 価格はすべてを織り込む(すべての材料は出た瞬間に価格に織り込まれる)
  • 価格はトレンドを形成する
  • 歴史は繰り返す
uptrend.jpg
 

◆チャートを使う出発点は

マーケットの値動きをコントロールすることはできません。力で株価を動かせば、相場操縦という違法行為です。また、「将来を当てることもできない」という理由で、チャートの存在そのものを否定する意見があります。
 
相場技術論でも「価格の予測は不可能」という立場を取りますが、「チャートには意味がない」という結論を出さず、これを出発点として「やり方」を考えていくのです。
 
相手(価格)をコントロールすることはできなくても、自分自身や自分のポジションはコントロールできるからです。
 
売買手法を決めたら、自分の狙いを絞ります。「上げトレンドに移ったら買い出動する」といったものです。
 
そして、その狙いに一致する動きが出現する時期を予想します。例えば、「保合から徐々に上向きのトレンドになる。今月か来月が変わり目だろう」と予想し、それをベースにして値動きの推移を見守ります。
 

◆偶然の結果を必然に

しかし、予想は当たりません。実際には「当たることもあれば当たらないこともある」のですが、いずれも偶然の結果であると片づけてしまいます。ムリな期待を抱かないため、あえてそう意識するのです。
 
ただし、その偶然の結果に対する「自分の次の行動」をコントロールすることは可能ですし、積極的にコントロールするべき部分です。ここに焦点を当てて考えるのが、「相場技術論」なのです。
 
現実の値動きが自分の予想とどうズレているのか──これを計って次の一手を決めるためには、真剣に予想を立てて判断基準にするのです。そして判断の際には、チャートを使います。
 
dice2.jpg
 
 

2.チャートを使う真の目的

◆分析だけでは意味がない

チャートの一部分を見て「買い場」「売り場」を判定するような、なんだかとても便利な分析法をちまたで目にします。でも、数量や期間といった要素が見当たりません。それに、単に「買い」「売り」では、外れたときの対処法もありません。
 

◆日柄を意識する

チャートのタテ(価格の推移)とヨコ(時間の経過)を併せると、トレンドが見えます。
相場では、ポジションを一定期間持つことで損益が生じます。しかし、価格はコントロールできません。そして、当てることもできません。
 
ですから、自分のポジションの「数量」と「時間」をコントロールするのです。
 
チャートを見るときも、この実際の行動から目を外さずに、特に横軸の「時間」を強く意識してください。
 

◆目的は「自分の答え」

生身の人間には「感覚」という、数式で処理できないものがあり、それを消そうとするのは不自然なことです。チャートが答えを教えてくれるのではありません。チャートを使って、自分で答えを出し、その通りに行動することが真の目的なのです。
 
 

3.日足(ひあし)

◆日足(ローソク足)の描き方

1日の値動きから「始値」「高値」「安値」「終値」の、いわゆる「4本値」(よんほんね)を使って1本の足(あし)を描きます。
 
「始値」と「終値」を比べて、上がっている場合は白抜きの四角を描きます。これを、「陽線」(ようせん)といいます。
 
「終値」のほうが安い場合は黒で塗りつぶした四角を描き、「陰線」(いんせん)と呼びます。陽線でも陰線でも、この四角形の部分を「実体」と呼びます。
 
「高値」と「安値」は、ザラ場(日中の個別の売買)の高値と安値を採用します。これを、実体の上下に線で書き加えます。この部分を「ヒゲ」と呼びます。
 

◆日足(ローソク足)の見方

日足のローソク足は、意外と情報が豊富なチャートです。毎日1本ずつ足が増え、1本の足に「陰陽の別」「絶対的な長さ(変動幅)」「直前(前日)の足との組み合わせ」(線組み=せんぐみ)といった情報が含まれます。また、集合形を見ることもできます。
 
このように情報が多い結果、とても魅力的で利用する人が多いのですが、短絡的な予測に結びつけてしまう傾向があります。
 
 
ch_ex_candle.jpg
 
『酒田罫線法』のようにローソク足の特徴を積極的に使う予測法を利用する以外は、現実から離れた予測法に偏らないように注意することが大切です。
 
ちなみに、ローソク足の集合形を類型化して四十八手として示してあるものは、短絡的な予測を欲する大衆向けに作られた“お遊び”的な考え方と断言できます。どうして「四十八」なんでしょう……なかには、原理原則に忠実なものもありますけどね。
 

◆「終値折れ線」の日足はプロが好むチャート

ローソク足が4本値を使って描くのに対して、日々の終値だけを使うのが「折れ線チャート」です。情報量が少ないので「もの足りない」と感じる人が多いようですが、トレンドを素直に見るためには非常に合理的な形式のチャートです。
 
 
ch_ex_line1.jpg
 
日々の動きをドラマ化して目先の予測を立ててしまいがちですが、終値だけを点で描き、それを線で結んだシンプルなチャートだと、最も大切な『トレンド』を見ることに自然と集中できます。結果として、売買の損益を決定するポジション操作に目が向くのです。
 
したがって、銘柄を固定して数カ月単位の上げ下げを狙う「うねり取り」を行う職人的な売買に適した、プロが使うチャートと認識されています。
 
基本的な描き方は、タテの目盛りが1mm=1円、横は1日2mmです。休日は無視するので、土日が休みの場合は金曜日の終値の2mm右側が月曜日の終値です。
 

◆日足折れ線を描くコツ

終値を点で描き、それを線で結ぶだけですが、ちょっとした描き方で見え方がちがってきます。
 
細めのサインペンで終値の点を描きます。そして、ボールペンなど細い線をきれいに描くことのできる筆記具で線を引きます。
 
点と線の間は、図のように少しだけ空けておきます。このほうが、見やすくなります。特に、小動きのときに違いがあります。
 
 
ch_ex_line2.jpg
 

◆中源線

中源線建玉法(ちゅうげんせんたてぎょくほう)は、日足の折れ線チャートを用いて数式的にトレンドの変化を見る、いわゆるシステム売買です。
 
単なる予測法ではなく、3分割の売買とセットのルールが規定され、とても実践的に仕上げられています。すなわち、「一定の基準で予測を立てる」「仕掛けと手仕舞いをセットで考えている」「動きに応じたポジション操作を含んでいる」のです。
 
 
ch_ex_chugen.jpg
 
中源線の売買シグナル(法示=ほうじ)が方程式によって導き出されるので、特殊といえば特殊ですが、上記の3つの要素が含まれた売買を半ば強制的に習得できる点が、「職人的な売買を練習するための最高の練習道具」として評価され、多くの人に利用されてきました。
 
例えば、字をきれいに書くためのペン習字で、お手本に示された理想の字をなぞるのと同じ学習効果があります。
 
 
ローソク足チャート プロの読み筋
後編~月足(ローソク)だから見えてくる大局とトレンド
 
 

4.月足(つきあし)

◆月足(ローソク足)の描き方

月足は、1カ月間の値動きから「始値」「高値」「安値」「終値」の、いわゆる4本値(月間高低)を出し、それを1本の足(あし)として描きます。12本で1年を表現できるので、長期の上げ下げを見るために使います。
 
ch_ex_candle-m1.jpg
 
月初の価格(初日の寄付)と月末の価格(最終日の終値)を比べて、上がっている場合は白抜きの四角を描きます。これを、「陽線」(ようせん)といいます。
月末のほうが安い場合は黒で塗りつぶした四角を描き、「陰線」(いんせん)と呼びます。陽線でも陰線でも、この四角形の部分を「実体」と呼びます。
 
「高値」と「安値」は、日々のザラ場(日中の個別の売買)の高値と安値を採用します。これを、実体の上下に線で書き加えます。この部分を「ヒゲ」と呼びます。
1カ月の間に、例えば「大きく上げたあと、だらけてしまった」場合は、長い上ヒゲ(うわひげ)ができます。逆に「大きく下げたあと、月末には戻していた」場合、長い下ヒゲ(したひげ)を描くことになります。
長いヒゲが多い場合(上でも下でも)、その銘柄は「値動きのサイクルが短い」「値動きが荒い」と評価するのがふつうです。
 
下の図は、1カ月間の値動きとローソク足(陰陽足)を対比したものです。これほど単純な値動きばかりではありませんが、ジグザグとした細かい動きがローソク足におさめられる過程がよくわかると思います。
 
ch_ex_candle-m2.jpg
 
標準的には、実体を2mm幅で描き、次の足との間は実体部分に1mmのすき間ができるようにします。ですから、1年で36mm右方向に進みます。
 

◆月足の見方

この、白抜きの「陽線」と黒塗りの「陰線」で表現する形式を陰陽足(いんようあし)といいますが、形がローソクに似ていることから「ローソク足」とも呼ばれています。
ちなみにアメリカでもローソク足を見る人は多く、「ローソク」を訳して「Candle stick chart」と呼んでいます。
 
陰と陽で表現し、なおかつ1本の線に4つの価格要素(「始値」「高値」「安値」「終値」の4本値)が含まれているので、意外と情報量の多いチャート形式です。
 
その情報量を利用して、いろいろな見方が生まれます。1本ごとの形で強弱を判断したり、2本以上の組み合せ(線組み=せんぐみ)でトレンド転換を考える経験則や予測法があります。
 
しかし基本は、「トレンドを見る」ことです。
1カ月の間には約20日の立会がありますから、例えば「月末の価格だけ」を線で結ぶようなチャートは情報が少なすぎてしまいます。ですから月足は、必然的にローソク足で描きます。
しかし、「陰線と陽線」「ヒゲの長さ」などから細かい部分を見て「当てよう」とするのではなく「上げ」「下げ」「保合(もちあい)」というトレンドを考えてください。大切なのは、トレンドとトレンドの変わり目を強く意識することです。
 
ch_ex_trend.jpg
 
そのほかに、上の例よりももっと具体的な形を見るというアプローチがあります。
線を1本ずつ見て、そこで展開された売買をドラマ的に分析しても意味はありませんが、集合形で見たりトレンドラインを見つけることで、前述したトレンドの変化点を探るための情報を得ることができます。
「秘密のサインを見つけよう」といった発想で形にばかり目を向けると、“お遊び”のチャート分析になってしまいがちです。基本は「単純にトレンドを見る」ことです。しかし、集合形やトレンドラインを見ることで、より実践的になります。
 
トレンドラインができた場合、そのトレンドラインを抜く動きがトレンドの変わり目です。
価格の変動は意外と激しいものなので、図で示したようにラインを引くことは、なかなかできません。
特に三角形は、まれにしか出現しないと考えてください。しかし、はっきりとラインが見えたときは判断の大きなヒントとなります。
 
しかし、無理やりにラインを引いてしまうケースが多いように思います。「ラインを引かなくてもラインがくっきりと見える」ときにだけ、これからの値動きを示唆するヒントがあるということを忘れないでください。
 
ch_ex_uptrend.jpg
 
ch_ex_shape.jpg
 
くどくなりますが、これらの「形」はチャートの補助的な見方です。いずれも底型、つまり底練りの期間が終わるときにみられるものですが、安値圏に到達し、高値の因果玉(しこり玉)の整理が進むのに十分な日柄(期間)が経過していることが前提です。
日柄が経過していないのに「形」を探してしまうと、「木を見て森を見ない」ことになってしまいます。
 

5.まとめ

◆チャートを見るときの三原則

前述したように、予測は当たりません。少なくとも、「予測は当たらない」ということを前提にして売買を考えるのが、相場技術論です。
しかし、周囲の情報に惑わされずに自分の売買をコントロールするためには、チャートなどで値動きを見てしっかりとした予測を立てる必要があります。予測は、「次の一手」を考えるための大切な判断基準なのです。
 
チャートを見るときに、細かい部分を見すぎないようにするべきだと書きました。
チャートは、次の3つのことを基本に観察してください。
 
  1. 傾向を見る
    トレンドが上向きか下向きか、保合なのか、変わり目に到達しているのかどうか、など。
  2. 形を見る
    定期間の形をトレンド判断の材料にすることが基本です。
  3. 勢いを見る
    そのトレンドが強力なのかどうかを見ます。だから、タテヨコの比率が大切なのです。

◆チャートは道具のひとつ

チャートは、とても便利な道具です。便利すぎるので、「チャートが将来を確実に示している」「ひとつのチャートにはひとつの答えしかない」と考えてしまいがちです。
昔はチャートを盲信する人を「ケイ線屋」と呼び、そういう人たちを揶揄(やゆ)した次のような歌がありました。
 
 ケイ線屋、足を引き引き、足を出し
 
「足を引く」はチャートを描くことです。最後の「足を出す」は、大損して資金以上の損を抱えてしまうことです。
チャートは自分で作成した道具のひとつで、判断の基準です。結果をコントロールするのは、そのチャートを使う自分自身です。チャートの適切な使い方は、自分自身の創造性だけです。

◆売買に適したチャートを使う

「当たるチャートはどれですか?」という質問をする人がいます。この質問の答えは、存在しません。理由は、これまで述べた通りです。
売買で利益を上げることが目的なのですから、自分自身の売買法に適したチャートを必要最低限で使うことをオススメします。
「日足=ローソク足」と決めつけている人もいますが、流れを見るためには終値の折れ線が使いやすいでしょう。ローソク足は、情報過多になりがちなのです。しかし、ローソク足を積極的に使って予測を立てていく売買手法もあります。
 
チャートの種類を考えるときは、個々のチャートの優劣ではなく、自分の売買に適したものを選ぶことが重要です。また、チャートを道具のひとつと位置づけ、自分の創造性を上手に生かすための使い方を考えてください。
 

6.底型・天井型111例

◆FAI規格の“保存版”月足チャート集

  • FAIクラブで過去に選定した中から抜粋した111銘柄
  • FAI規格のタテヨコ比のまま50%に縮小したA3サイズ
  • 期間は2001年1月~2015年8月
  • 底練りの様子とともに、立ち上がっていく状況を確認できる

◆値動きを捉える“変動感覚”を磨くツール

このチャート集の目的は、主にFAI投資法で重視する安値圏における月足の形を見ることです。安値圏に到達したあとの整理の期間、および上昇トレンドへの立ち上がりを見て、変動感覚を向上させることが狙いです。
 
多くのチャートは、タテヨコ比を無視した表示なので、感覚を養う上では大きなマイナス面があります。タテヨコ比を考えない表示というのは、顔写真でいえば「丸顔なのか面長なのかを認識できない」ということです。このチャート集は「統一規格」なので、値動きを認知する感覚が狂いません。

◆誰もが確認しておきたい長期の上げ下げ

つい、目先の動きにとらわれてしまうものですが、株価の長期的な波動は、意外に期間が長く、また変動幅も大きいものです。割と短期的なトレードを行う上でも、長期の上げ下げを見ておくことが重要です。

◆月足は黒、背景のケイ線はブルーの2色印刷

チャートは、人間の視覚を通じて感覚で値動きを捉えるためのものです。背景のケイ線が独自の工夫を加えたブルーなので、黒いローソク足がくっきりと浮かび上がり、値動きの観察を助けてくれます。

◆そのままでもバラしてもOK

レポート用紙や便せんのように、上端だけをノリで綴じてあります。そのままめくって眺めることもできますし、途中の1枚だけを外すことも可能です。
 
soko111-1.jpg
 
8006large.jpg
※画像はクリックして拡大
 

◆お申し込みはオンラインショップにて

 
 
 

林投資研究所投資助言・代理業 関東財務局長(金商)第2602号
一般社団法人日本投資顧問業協会会員

〒162-0041 東京都新宿区早稲田鶴巻町571 #702 TEL 03-5261-5101  FAX 03-5261-5102

※ご注意:林投資研究所は、証券取引行為や金銭・有価証券の預託貸付は行いません。