父親が亡くなったあと部屋を整理していたら、4ケタの暗証番号が黒マジックでくっきりと書かれたキャッシュカードが出てきました。ダメじゃんか!
でも、気持ちはわかります。
インターネットのサービスをいろいろ使っていると、覚えておくべきIDやパスワードが際限なく増えていきます。みなさん、苦労があることでしょう。
他人のパスワードを見る機会などありませんが、割とカジュアルな設定をするケータイのメールアドレスなどを見ていると、ユニークなものがたくさんあって面白いものです。
「genki」(元気)とか「akaruimirai」(明るい未来)と前向きな言葉を使ったものがある一方、「ugly」(ぶさいく)とか「hetakuso」(ヘタクソ)なんて超ネガティブな言葉を盛り込んだものもあります。
ネガティブな言葉を使う理由はいろいろあるのでしょう。遠慮や謙遜、自分自身への叱咤、等々……でも、実はすごくマイナスの効果を持つといわれます。
ネガティブな言葉は、ジワリジワリと自分のイメージを低下させます。
そして、いざというときに自信がなくて踏ん切れない、微妙なところでミスする方法を選んでしまうなど、実際に残念な結果になりやすいことが、科学的にも説明されているのです。
トレードでも、「また負けた」とか「やっぱりね」なんて言葉には要注意!
未来のために反省するのなら、「次はこうやるんだ」という宣言も加えないと、イメージが下がったままになります。
昔からいわれる「勝ち癖をつけろ」というのは、科学なんですね。
さて、気持ちのコントロールは難しく、繊細なバランス感覚が求められます。
でも、ふだん使うパスワードやメールアドレスなら、たった1回の工夫で、
プラスの効果を継続的にもたらすことが可能です。
少なくともマイナスの効果はなさそうですから、お試しあれ。
「matarigui」(また利食い)とか、赤面してしまいそうで抵抗があるかもしれませんが、ちょっと背伸びした言葉で自分を高めることが大切です。
林 知之
(2015年4月 8日)