Vol. 293 市場にゆだねる

連載「相場のこころ トレードの本質」その10

 
ゴルフコンペの当日が雨だと、幹事が雨を降らせたわけでもないのに参加者に「すみません」と謝っていたりします。
天気はコントロールできません。
ただし、雨の確率が高い時期と低い時期を選ぶことはできます。
 
個別銘柄の予想情報で、「目標〇〇円」という表現を見ることがあります。
「1カ月後のゴルフコンペは、快晴で無風が目標」なんて言っているのと同じで、何も努力のしようがありません。
「株価操縦でもしているの?」と突っ込みたくなります。
「最低でも〇〇円までの上昇を見込んでいる」とか「〇〇円もあり得る」でいいと思うのです。
 
ある銘柄が、100円から500円まで3カ月間で上昇したとします。
100円で買った人にとっては「もう5倍」ですが、あと2週間で1,000円になる可能性もあります。強い上げ方を見て450円で乗った人にとっては「まだ1割」ですが、今が天井で、1カ月後に300円かもしれません。
 
どちらも単なる個人的な都合なので、市場の価格に影響しません。
いくら念じても効き目はありませんし、努力の余地はどこにもないのです。
 
株価は市場任せ、ただし、数量やタイミング、そもそも出動するかどうかは自らの意思で自由に決めることができる──それがトレードです。
 
オトナならば知っているはずですが、つい忘れて“念を送って”しまうのが人情。
こんな単純なことに気をつけるだけでも、トレードの内容が大きく変わります。
日々、数え切れないほどの試行を繰り返し、それを積み重ねていくのが人間の能力ですから、わずかに方向を誤るとトンデモナイことになります。半面、力は弱くても方向さえ合っていれば、着実に正解に近づきます。
 
林投資研究所が提唱する「相場技術論」では、自分自身の確固たる予測を重視します。しかし、主体は常に株価だと考え、見込み違いの場面では「そんなはずはない!」と怒りながら、とても素直にポジションを切ってしまう習慣が必要だと考えます。
 
彼氏でも彼女でも、メチャクチャわがままな相手を想像してください。
コントロールしようとしても墓穴を掘るだけ、だから、相手がその日、ご機嫌になるであろうアイデアを出すことだけに集中するのです。
かなり切ない設定ですが、これと同じことを私たちはやろうとしているのです。
 
林 知之

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林投資研究所が創業以来、発行し続けている売買手法の研究誌「研究部会報」に連載を開始し、真剣に手法の解....

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