Vol. 45 底打ち宣言

「私が底打ち宣言する」という話ことではありません。
「底打ち宣言って何だろう?」というテーマで、前回(Vol. 44)挙げた“自由な思考をジャマするコトバ”の具体例を紹介します。

シンガーソングライターさだまさしさんの「関白宣言」という歌があります。
一部の女性から反発もあったようですが、私はいい歌だと思います。
本人による“アンサーソング”「関白失脚」があるということを、最近になって知りました。

自分で自分のポリシーを宣言しても、貫くのは難しいのでしょう。
歌だからといって、いや歌だからこそ、そんな現実を反映していると思います。
(実際、「関白宣言」はタイトルほど一方的な内容ではありませんし、「関白失脚」だって“撤回します”というような歌でもありませんが……)

マーケットの予測情報のうち、私たちが最も気にかける“相場の転換点”に注目しているのが、「底打ち宣言」「天井宣言」といったものです。

私が引っかかるのは、「宣言」です。
自分自身分のことさえままならないのに、マーケットについて「宣言」とは……。
「禁煙宣言」「ダイエット宣言」「浮気しない宣言」などと同じで、中身がないから「宣言」をつけ加えているのかなどど、情報発信者の内面を推理することも面白いのですが、それよりも情報の受け手が“どう感じるか”が重要です。

「未来のことを知りたい」「わからないはずの答えを手に入れたい」のが人情ですから、「宣言」はとても頼もしいのです。ホッとするのです。

つまらないイチャモンか意味のない言葉遊びにも聞こえるかもしれませんが、外部の情報を無防備に受け入れると、紙一重のところで自由な思をジャマされることがありますから、注意が必要です。

ひねくれるのは良くないと思うのですが、ものごとを批判的に見る、つまり“自分の物差しで考えてみる”ことは大切です。

「底打ち宣言」→「そうか!買わなくっちゃ」
こう食らいついてしまうのは、“素直”すぎます。
いくらなんでも…と思うでしょうが、こんなふうに簡単に結論を出して儲けたいという心理は、誰にでもあります。

「底打ち宣言? なるほど、そういう判断をしたんだね。どういう論理かな?」
という具合に、外部からの情報に対しては一呼吸おくようにしてください。

相場技術論でのゴール(目標)は、
 多くの情報を自分の物差しで選別する
 (必要な情報だけを受け入れる)

ことです。


林 知之

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